情報時代の資格検定ガイド 主宰 西 川 敏 弘
以下の数値が小さいほど「資格の強度」が強いものと私は考えています。法律的に、どのような立場になるのかという視点であり、試験の難易度や実際に役立つかという視点ではありません。 勿論複数に該当する場合もあり得ます。紹介ページにはこれらの表示をしています。マーク詳細はこちらをどうぞ (1)業務独占資格 :(これを狭い意味の免許という人もおられます) (2)称号資格 :(その資格が法令等で定められているが業務独占でないもの) (3)文部省認定等: 省庁が資格そのものを認定しているもの (公的検定といったり 3までを公的資格・検定というものが多いようです) (4)省庁後援若しくは公益法人発行(準公的という表現もあります。省庁が後援する資格検定は公益法人のものがほとんどです。「高等学校の単位」や「大検の科目免除」として認められる資格の発行者は通常、このレベル以上になっています) (5)公益法人の後援や有名法人(企業等)の発行: 事実上その団体の信用と実績によるでしょう (6)商標登録(?)・所有権などでしか法的に対抗できないもの:(狭い意味での民間資格です。なお良く特許庁商標登録という表示を見かけますが、これは商標上の権利をいう場合が多く、資格制度自身を省庁が奨励した上記の「省庁認定」とは意味が異なります) 資格検定の合格者、所持者以外がそれを名乗れないのは「道徳的」な要素以外に「法的な問題」があります。どのような、法律や行政機関でその資格・検定が守られているかを考察するのがいいと思います。 なお、公的資格か民間資格かという判断は、一流の資格ガイド雑誌でも見解が異なる場合が多くあります。また、そのためこのページは法令(業務独占・称号の独占)・省庁の認定・公益法人等の発行・公益法人等の認定・その他という「認定者」に重点をおいた区分表示をあえて行っています。 「データーベース検索技術者は公的資格なのか?」というご質問について 最近、有名資格ガイド本では公的扱いでなく民間資格扱いになっている(例:学研ムック資格検定受検案内2001 P195)とのご指摘メールも多くいただいておりますが、私の調査では、一方では公的資格の扱いとする資格ガイド(例:「自由国民ガイド版国家試験資格試験全書」など)も多く、「一流の資格ガイドのプロ編集者」の方の判断も異なるレベルの話であることを、まずご承知おきください。 この件についての私の見解を追加しました。詳細はデーターベース検索技術者をご覧ください。 「生涯学習インストラクタは公的なのか?」というご質問について これも同様に判断が異なる例であり、前者とは逆のパターンで「自由国民ガイド版」では民間資格扱いになっており、「学研ムック」では、公的に分類されている例です。私は、この資格は、いわゆるペーパーテストを行わない性格であるものの、「文部省認定通信教育の実施団体の連合組織である財団法人の発行」で、この、文部省認定通信教育修了生の中から一定成績以上のものを資格審査とし、実際に各地の教育委員会などでこの制度を利用したものがあるようですから「文部省系」という分類にしています。 このように、市販のガイド本とは分類のポリシーも少し異なりますが決して特定の資格ガイド本の受け売りではなく、実際に受験したことや取得した体験に基づくもので、結果として省庁別への分類基準は甘くなっています(いわゆる準公的といわれるものまで含んでいます)。また、社団法人発行のものでも、便宜上民間資格へ登録し、そのうえで「省庁の後援」や「公益法人等」などの表示を行っているものが多くあります。 何をもって公的というかは明確な定義もなく、所詮人の感性や予備知識によるもので主観が入るものだと感じています。さらに、当然ながら「公的といわれるものであっても、全く価値を認めない資格・検定」が企業にはあるようです。あくまで参考にとどめてください。 |
平成12(2000)年2月更新
西川敏弘 jf3mxu@hi-ho.ne.jp