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資格談義
資格の裏側

資格談義

無線の免許(1級陸上無線技術士や1級総合無線通信士)と実務経験で工業高校の教員免許が得られるということは、非常に有名な話です。
それ以外にあるのでしょうか?

中学校の職業という免許は、同様に、資格(1級陸上無線技術士や1級総合無線通信士)と実務経験で得られるわけですが、「職業」という科目は、ほとんどやっている中学校がありません。
これはほとんどの人が「技術」と混同していますが、中学校の「技術」と「職業」は別物です。
昭和2〜30年代には職業の科目があったようですが、実はこの職業という科目は、高校進学率が低かった時代に中学校卒業で就職するため、職業指導の重要性が今の雰囲気とは違い 内容も「簿記」などの商業的なものも含んでいたため、教員免許も、工業系以外の大学でも、いろいろな専門の大学で取得できたようです。
(私は昭和60年代に近畿大学の通信教育に行っていましたが、当時の短大商経科の通信教育でも取れたようで驚いていました (ちなみに現在では取れないようです。)もちろん、公立学校での教員採用試験ではその科目はありません. そうすると、この資格は無意味では?と思われるでしょうが、この資格を基礎として、他の教員免許を申請できたという例もあるのです(私もマニアですね。)
教育職員免許法施行法(昭24法律第148号)第2条20の2にこの、無線技術士と無線通信士の規定が明記されています。(電波法には教員免許の規定はありませんよ)

それでは、この無線関係以外に規定されている「教員免許が取れる資格」はあるのでしょうか?
船舶職員法の3級海技士(航海)、3級海技士(機関)が実務経験5年+技術優秀=中学2種職業・高校1種商船(2条20の4)が唯一の例です。
その他は、資格だけでなく特定の学校卒業を要件にしていたり、戦前の師範学校等卒業者の経過処置のような規定ばかりで、この海技士と無線従事者だけがこの法令で定められています。
事実上商船の高校は少なく、資格で教員資格にリンクしているのは 通信系資格から高校(工業)のみというのが、実際にあり得る現状ではないかと思います。海技士の3級は難関であり、そらなりの学校へ行かないと取れません。しかも必要な実務経験が長いのです

その他、医師の免許があれば盲学校の「理療」の免許が得られるという話はきいたことがありますが条文まで探しきれていません。
ただ、医師の資格が難しくこの例が実際にあるかは別問題です。

正規の教員免許が中学・高校1つ入手できますと、大学通信教育の聴講生で数学免許が取れたり(受講資格が得られたりという意味。免許が1つないと通信では取れないものもある)、可能性も広がります
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平成12年1月更新

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西川敏弘 jf3mxu@hi-ho.ne.jp