NHK阪神淡路大震災5年目の特別番組


働きながら学んだ生徒が紹介されました

県立神戸工業高等学校 情報技術科 教諭 西川敏弘
(情報通信時代の資格検定ガイドWEBページ主宰)

あの恐ろしい阪神淡路大震災から5年を迎えた2000年1月17日、神戸・中山手通の旧NHK神戸局舎跡地(現在は駐車場となっている)に、テント張りの臨時スタジオが設けられ、ここから日本全国に向けて放送されたことはご存知の方も多いと思います。


私は、震災当時から兵庫県立神戸工業高校(定時制)情報技術科に勤務しておりますが、震災当時は、市内最大級の避難所となったことから医療基地にもなり大変でした。
しかし、私たち教員以上に大変だったのは、働きながら定時制に学ぶ生徒たちだったと思います。ある者は職場を失い、逆に土木・建築関係では復興のため仕事との両立が大変になったものもいます。生活の基盤を失ったものだけでなく親しい友人・知人・肉親を失ったものの悲しみなど、1月17日は神戸にとって忘れられない日であることはいうまでもありません
県立神戸工業高校では、従来から働きながら学ぶ生徒を励まそうと各教員が自分の担当教科でさまざまな取り組みをしています(私の資格・検定の取り組みもその発想の一環であるわけです)が、中でも、国語科南悟教諭の、労働に根ざした短歌の取り組みは、岩波ブックレット#351 「定時制高校青春の歌」として 出版され、広く知られています。私が昔、担任をしていたクラスに、その関連で映画監督の山田洋次氏をお迎えしたこともあります。このことは、読売新聞全国版の夕刊記事で紹介されましたのでご存知の方もおられるかも知れません
今回震災5年の節目でもあり、当時の情報技術科生徒(3名)がこの特別番組への出演依頼があり、学校・情報技術科としてこの番組に協力することになりました。


番組は17日午後1時〜4時の全国放送枠の中で行われ、当時、神戸市水道局職員として水道復旧の最前線で活躍しながら学んだ生徒、新聞配達で瓦礫の中や避難所を回った生徒、そして、友人の死を見届けた女子生徒がそれぞれ自分の立場で作った短歌を披露してくれました。
出演した生徒は、卒業生であり、仕事を休んで協力してくれましたが、仕事のためこれなかった生徒もおりました。
会場には、本校の教育活動を紹介いただく作品掲示も行われました
番組の中では、映画監督の大森一樹先生からも、暖かいコメントをいただいたり、短歌の専門指導をされている先生方にも、総じて高い評価を得たように思います。
私のホームページをご覧いただいた方からも、県立神戸工業高校ということを覚えていただいていたようで、NHKを拝見しましたという嬉しいメールも多くいただきました
第1級陸上無線技術士の私としては、放送の舞台裏・中継装置などに興味があり、その行動が不審がられたのではないかと思います
なお、番組の様子も画像紹介したいところですが、スタジオ舞台は関係者といえども(本番最中以外でも)撮影禁止ということでした。紹介ができず残念です。
なお、上記の会場内部写真(掲示物)については、撮影のお許しをいただいております

はじめていただいたNHK放送記念品
NHKの名入り紅白タオル・テレカ

当日、テレビを見た「私を知る方」数名から「映っていたよ」といわれましたが、後でビデオを見る限りでは「ほんの一瞬」であり良く見つけたと思う程度です。もちろん私を知らない人にはわかりません。
しかし、その方にはテレビの話は一切言っておらず、人間の能力とは恐ろしいものだと感じたものです


平成12年3月更新

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