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■資格は就職に本当に生かせる(確実に有利)と考えますか?
資格・検定は就職には万能ではないと思います。その仕事に必要か、をまず考え,
それから、その会社に入ってからすぐ取得できるようなものでは、会社で養成すれば良く
あまり効き目はないでしょう。
だれでも1日の講習や通信教育終了で取れるものなどは逆効果も考えられます
例えば 詐欺商法的民間資格をあたかも公的資格のように履歴書に
記載すれば、まともな会社の人事ではマイナス評価とするでしょう
■どのような場合に資格は就職に有効・有利だと考えますか
・その企業で業務上必要であり、その年齢では取得が難しいとされるもの
昔取った資格なら不利と考える方もおられますが、逆に若い時点でそれだけの資格
を取得したのだから、優秀であり、その分野への興味関心や熱意・適正の面で良い
評価を貰える場合もあります。高校在学中で情報処理1種やデジタル1種などを取得と
なると今後の教育次第で期待できるなと考えるか、技術の陳腐化で無意味と考えるでしょうか?
少なくても大卒でない人が、専門の大卒でも取得が難しいとする国家資格があれば
効果が期待できます。だたし、これは同じ学歴の場合に限る話です
高卒が、資格だけで 大卒に勝てるとかという話ではありません。
就職は、基本的に 年齢や人柄などが企業の要求している基準に合わなければ難しいでしょう
・自分の出身学部と違う分野への転就職で、相当の知識が必要とするもの
私宛メールに最近多いのはこのタイプです。特に、不本意入学(学科)だった人や
入学後、適正がないことに気づき軌道修正をしたいが退学をせず、興味ある分野の資格を取り
それを武器にしたいという考えの場合です。電験認定目当てで電気工学科に進学したが、通信系
という場合は、隣接学問分野なので、その大学の就職ルートを生かしながら、資格を武器にする
ことも考えられます。しかし経済系などへ一旦進んでしまえば、専門外ということになりチャンス
さえ失ってしまうことになります。私も趣味のアマチュア無線で、技術知識がプロなみの方を多く
知っていますが、資格があっても「体系的な学習ができていない」とみなされ、純然たる技術は
できず、営業の中で、その技術知識を生されている方を多く存じています。
あまり良い話とはいえませんがこれも現実です。それを覆すには、資格では「技術士」の取得など、
普通の人以上の努力をしなければならず、いかに進学時の学科選び(学校選びではない)が大切か
ということなのです。これは、高校でも同様で、工業高校でも専門学科は業界的に評価が高く
下手な専門学校よりは、伝統校の工業高校の信用が高く就職が良いというのも現実です。
私も全日制工業高校勤務時代、進学した生徒が数年後就職するとき「その工業高校卒業生なら
採用するので、高校から証明書を貰って来い」と言われた例もありました。
何が評価されるかわかったものではありません・・余談ではありますけど
・同じ程度の競争相手の学歴や能力の場合。努力する姿勢の評価が期待
・会社が、その資格取得者を第一に希望しているとき
■なぜ情報通信時代の資格検定ガイドでは発行者にこだわるのですか
・試験には、能力評価という側面だけでなく、どのようなことができるか
すなわち狭義の免許の概念である「通常禁じられている業務が許され、
名称を名乗れるというのを保証する」のが発行者です。
国家試験は法律で定められ、行政である省庁や都道府県が秩序を守ります
民間資格であれば、その団体・会社がその権威を実質的に守ります
・試験は生き物であり、取得時代により難易度も変動します。
したがって試験合格を能力の証明というより実際に仕事をさせるための
スタートラインであるということだと思います
・資格検定の世界では「資格商法」という言葉もあるよう、さまざまな
悪徳ビジネスの標的にもなっています。
・したがって数を追いかけるという収集趣味より、より信用ある団体が定め
る試験の方が、試験のねらいも明確であるからです
■民間資格検定を軽視しすぎではないか
・マイクロソフト社をはじめとする有名企業や各種業界団体等は有効と思います
しかし実体の無い団体は軽視されても仕方ないでしょう。
たとえば、神戸市のような地方都市だけでしか実施されない試験が仮にあったとしましょう。
このような資格は、受験することは困難=取得も困難といえますが、知名度で疑問があります。
・民間資格といわれるものでも財団法人や社団法人のものは私は評価しています
法律に基づかないものでも、能力評価として定着されているものは
良いのではないかと思います。
ただしこれらが決定的な評価になるかは別問題です
なお、財団法人と聞いただけで嫌気がさす人もおられるようですが、それは
その業界での位置付けなどを正しく理解してからでも評価は遅くないと思います
■文部省の高校教員認定試験(情報)でCG検定が科目免除になるのはなぜ予想できた?
・CG検定が民間資格検定といえ、文部省の認定試験だからだと思います
以前HPでこの予想が見事当たり、驚きのメールも多くいただきましたが、
たまたま当たっただけでしょうが予想の根拠をあえていうと・・
・高等学校の単位認定基準に資格取得による技能審査制度があります
また、大検で科目免除となる資格検定には、多くの民間資格がありますがこれらは、
発行者が公益法人以上です
参考 : 資格の強度
■情報通信の資格とは・・なぜ「情報通信技術者国家試験」が無いのか
・・同類「資格マニアでないのだから複数資格を取る意義がわからない」
ITとか「情報技術」という概念は、ブームになるまでも注目されており、
従来あった「情報処理」の概念と「通信技術」の融合であるといわれます
日本でもNECがC&Cというキャッチフレーズがありましたし、NTTでは従来
から、通信技術とコンピュータを融合したサービスを意識していました。
通信は有線・無線にわけられますが、これら電気通信事業や放送関係を
取り締まる法律があり、行政的には郵政省が担当しています
コンピュータは、計算の道具であり、市販される商品です。
この観点からはコンピュータの普及の仕事は通産省です。
しかし、現在パソコンは通信機器としての性格を併せ持つようになったため、
通産省の資格でも「電気通信事業法」の初歩・常識を出題範囲になっているのです。
ちょうど、自動車は工業製品でありながら、道路交通法により、
公道を走るためには公安委員会からの運転免許を必要とします。
さらにフォークリフト等では、労働安全という要素が入るため労働省管轄
のフォークリフト運転技能講習等の終了者という「資格」が必要になります
(小型特殊車両と思い込み、普通運転免許で運転できるとか、構内であるから
無資格者でも運転できると思っている人もおられると思いますが)
つまり、構内であれば労働省の免許だけでよく、公道であれば労働省の資格
と小型特殊もしくは大型特殊という公安委員会の免許を併せ持つ必要がある
のです。これは建設機械(例:クレーン車)なども同様なのです。
このように、用途にあわせて複数の資格を併せ持つ必要があり、タンクローリー
を1人で運転するのには事実上危険物取扱者が必要となることと同じです。
コンピュータといえども、情報通信のプロには通信の規制資格が必要なのです
したがって、通産省の情報処理技術者と、郵政省の電気通信主任技術者の2つ
が、情報通信関係の2大資格となっているわけで、この視点で編集したのが
情報通信時代の資格検定ガイドであり省庁別紹介を特徴にしているのです。
すなわち、資格と法律・行政・発行者の公益法人性ということを重視している
のです。また「決して1つの資格取得だけに こだわる必要はないのです」
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