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海外のアマチュア無線資格FCCアマチュア無線受験の想い出JH3OII/AJ1A 中村千代賢 米国ARRLボランテイア試験員資格者(上記画像は認定証) 以下は、海外でのアマチュア無線経験も豊富な、JH3OII/AJ1A 中村氏に特にお願いして、その資格紹介をお願いすることとしました。中村氏とは企業在職時代からの友人であり、共に黎明期のパソコンMZ-80の商品企画や製品設計技術に携わった関係である。現在は共に退職し、それぞれ違う道に進んだものの、インターネットで再会、1998年には雑誌CQハムラジオ誌でも記事を共同執筆した関係であり、資格紹介要望の多いこのページの執筆をお願いしたものである。快く引き受けていただいた中村氏に心より感謝する次第です(情報通信時代の資格検定ガイド 主宰 JF3MXU西川敏弘)はじめに インターネットで世界の情報を意のままに得られる今日ではアマチュア無線のメリットを説明しようもありませんが、少なくとも1970年代ではそのライセンスに付随する特権、それは世界中と自由に通信できるという事は替えがたい楽しみでした。 しかし当時の日本のハム免許は国外ではまったく通用せず、せめて現地で受験資格を与えられるだけでもおんのじでした。(これは逆に日本に居る外国人に対しては与えられていませんでしたが)。 さて北米に住んでいた私はアメリカの1976年法改正で外国人にも受験資格が与えられたことを知り、何とかこの免許をとりたいと考えました。 当時のFCC試験はFCC地方事務所で週1回開催される時間に「飛び込み」で受ける制度になっていました。 遠隔地に住んでいた為わざわざ一番近いボストンまで飛行機に乗り2泊の予定で試験にのぞみました。 開催時刻は朝9時でしたが6月で夏休みということもあり8時半にはたくさんの受験者が受験票を持って集まっておりました。職員さんは慣れた手順で受験票を受け処理を進めていきます。 FCC事務所には教室程の大きさの試験場が必ずあり、皆その部屋の机に、特に順番にというわけでもなく座っていきました。 多少の冗談も交えた説明に続いて試験が開始されます。 最初は電信(モールス)の受信試験ですが、受信のあと内容をマークシートで答えていくという方式で、既に実践をかさねている自分にはいささか簡単すぎるといった感じでしたが、実質、ハムの電信試験ならこれで十分という気もします。 工学と法規の筆記試験は皆の電卓の種類をざっと見て回ったあと適当に始めてよろしいということです。時間制限はありません。 電信の送信試験は筆記試験の合間にひとりづつ呼ばれて短い文章を米式電鍵で試験官の前で打つという形式的なもので、私が打ったのはほんの数十字にすぎません。 筆記試験は択一式マークシートであり、提出するとその場で採点されます。 合格の場合は得点は告げられず別室で待つように言われ、不合格の場合は合格点何点に対して何点しか取れていないかが知らされ、60日経過後再度受験資格が発生する旨告げられます。 これは非常にフェアーで親切なやりかたですが、反面その方針が日本とあまりに違うので別室で待つ様に言われた自分はもしかすると聞き間違えて不合格だったのかもしれないと考えた程です。 さて殆どの人が終わった時分に再び試験官に呼ばれ、こんどは初級の試験を受けろと云われました。 よく事情を理解していなかった自分はやはり前述の試験を落ちたのかと聞きましたが、試験官の答えは「No, it means you passed」でありました;つまり上級の試験をパスしても初級の試験もパスしないと免許はもらえない制度なのでした。 難なく初級の試験もOKとなり、あとは約90日程で免許証が郵送されると言われ、12時前に試験は終わりました。 現在の試験制度について 現在の制度は大きく変わっており、およそ次のようになっています:・日本のハム免許はアメリカ等の諸外国で認められるようになりましたのであえて受験する意味はなくなりました。 ・試験はFCC職員ではなくボランティアのハム(VE)のチームによって行われます。試験日程はVEチームが計画、公表、受け付けします。 ・受験料は当時のように無料ではなく規則が定めるおよそ実費が徴収されます。 ・電信の受信試験は択一式ではありません。送信試験はなくなっています。 ・筆記試験の問題集は現在は公表されており、理論全般に亘る勉強をしなくても公表された問答だけ覚えていれば合格できるようになりました。 ・免許の発給をインターネットでチェックできるようになりました。 ・初級を先に合格し1段階づつ上級の受験資格が与えられます。 最後にお願いです アメリカのようなオープンな制度に甘んじて日本人がVEチームを組んで日本国内でまるで日本人のためにFCC試験を行うことが最近あるようです。しかしこの制度をアメリカのコールサインがほしいだとか単なる資格マニアにより乱用されると制度の見直しが行われるかもしれず、同制度を本当に必要としている人達への弊害になるだけですのでこの点十分ご配慮下さい。 参考になるホームページへのリンク 日本のアマチュア無線の資格 中村氏・西川のCQ誌共同執筆の記録 JH3OII 中村千代賢氏のページ w5ac ham-exam米国のハム国試のページ |