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「私はこうして合格した」より
「きっかけを大切に」
注記編集:(1陸技)西川敏弘この文章は、雑誌「電波受験界」1996年1月号に掲載された記事の内容を、筆者北田佳仁先生のご了解をいただき、公開するものです。 1.はじめに 皆様はじめまして,私このたび「第一級陸上無線技術士」の仲間入りをさせていただきました北田佳仁と申します。 2.ハムを知ったきっかけ 元々、理数系に強い興味を持っていて,小学校・中学校時代から少年向け科学雑誌などをよく読んでいました。 3.プロ資格を知ったきっかけ 高校のハムクラブに在籍中、モ−ルス符号を覚え,電信アマに合格。私自身は満足していたのですが.ハムクラブの先輩には,上級ハムや電話通・多重といったいわゆるプロ資格を取得されている方々が大勢いらっしゃいました。 4。1陸技受験のきっかけ 希望どおり大学に入学できたものの,レポート提出に追われる日々が続き,プロ資格受験のことは全く忘れていました。 @ 資格名の変更(一<総>通,一<陸>技) A 予備試験は択一式 B 工学系科目の減少(工学A,B) その他,細かいことはもっと沢山あるようです。全く不謹慎なこととは思いますが「資格が手に届きそうな所まで近づいて来てくれた」と正直に感じました。 5。予備試験 準備期間は約4か月,十分な期間が確保できたと思います。ただ,択一式といっても1陸技の予備試験はキビシイですね。 私が留意したこと事は, (1)「電波受験界」や「国試問題解答集」を参考に,少しでも多くの問題に接する.こと。 (2)得意分野(私の場合は,電気電子回路や論理回路)からの出題は絶対に失点しないこと。 (3)単位の次元(ディメンジョン)等をたよりに,矛盾した解答肢を排除すること。 また,単位は公式を暗示している。 以上ぐらいでしょうか。 6.本試験 考えてみれば,予備試験受験免除期間が10年もあるということは,本当にありがたいことです。(注:現在は改定され予備試験は無い。ただし「無線工学の基礎」の本試験科目となり、他の科目と同様科目合格期間は3年である) 次に各科目別に,学習を進めていく上で留意したことを列挙いたします。参考にして頂ければ幸いです。 〔法規〕 (1)集中して読む,そして書く 私は,丸暗記が非常に苦手です(集中力不足?)。したがって,ある意味では工学系科目より苦労しました。 (2)電波法令集に親しむ 私は,電気通信振興会発行の電波法令集を時々開き,気楽な気分で読むようにしています。 (3)覚えやすい問題から覚えていく 解答が短い問題もあれば,解答が非常に長くなる問題や複雑な数値を覚えなくてはならない問題まで,過去にはいろいろ出題されています。解答が短いから覚えやすいというわけでもないでしょうか。やはり,自分の覚えやすい問題から手を付けていったはうが,精神的なプレッシャーも少ないはず。 (4)ヤマを適切に張る とはいっても,過去出題の全問をマスターするのは,非常に困難であると思います。 <工学B> (1)基礎事項の再確認 (2)公式のマスター。 工学Aと比べて,公式を使う問題が多いように思います。このことに苦手意識をお持ちの方が多いのではないでしょうか。 (3)不完全な解答でも,必ず書いておく これは,工学Aにもいえることでしょうが.法規は条文を知らなければ解答できないのに対し,工学系は.解答の導入部分なら書ける(途中式までなら書ける)問題が出てくると思います。 私が受験した感触では,途中まで合っていれば部分点をつけてくれているような様 子です。 余裕を持って合格された先輩の方々には無縁の話でしょうが.ポーターラインあたりの得点しか期待できない私にとっては正に命運を左右する話です。 (4)新問対策 最近は,1問新問が出題されているようです。もちろん新問ですからいわゆるヤマ張りが通用しません。 確かに,新問を全く解答しなくても,他の問題の解答が完全ならば.十分に合格ラインに達しているはずですが,出題者は,栄光ある第一級陸上無線技術土は,何らかの解答をしてくれるはず」と意図して出題されているわけです。やはり,その挑戦は受けなければならないでしょう。 <工学A> 基本を振り返ること 前項の工学Bと似たような書き出しになってしまいましたが,少しニュアンスが違います。 工学Bは、比較的数学が占めるウエイトが大きいような気がしますが,それに対し工学Aは,変諷,復調や測定などの基本の意味を大切にしなければいけないと思います。 変調とは,端的に言えば,低周波に応じて高周波を変えることであり、復調はその逆です。(初級ハムのレベル) その回路の説明に,三角関数の積とかが出てきます。ところが式の変形に追われてしまい、本来解答すべき趣旨がぼやけてしまう傾向があるようです。 私は,工学Aのほうが工学Bより暗記しなければいけない要素が多いめではないかと思います。楽に覚える方法としては,意味を押さえて,解答の趣旨を理解することが一番ではないでしょうか。 (2)デジタル通信関係 最近はデジタル方式に関する問題が,増えてさている様子です 当然、基礎のレベルからアナログ方式とは異質のものであり,今後も新問として出題されるであろう分野と思われますので.新問対策という意味からも,学習が必要であると思います。 以上,本当にのんびりとしたペースで,合格させていただきました。 ただ,今から思うと,表題にさせていただいた「きっかけ」…それを機会に.(少々の中休みがあったにせよ)あきらめさえしなければ,必ず合格できます。 最後まで、お付き合いいただいた読者の皆様,本当にありがとうございました。こんな拙文にお付さ合いいただいたのも何かの御縁。皆様の合格の「きっかけ」にしていただければ幸いです。(平成6年10月記す) 関連ページ: 北田佳仁ホームページへ JF3MXU西川敏弘 |